メガネ属性≠負け属性

アニメとか、ゲームとか、面白かったコンテンツについて言語化したい

原作既読作品に映像がついた時の面白さを味わったから聞いて

公開初日に響けユーフォニアムの劇場版を観てきた。

www.anime-eupho.com

今回の映画は原作の2巻分のみぞれと希美の話「映画リズと青い鳥」部分を抜いた話であり、新しい後輩もで出てきて全体的に情報密度は濃い映画だけど、心理描写が比較的分かりやすめに描かれていて見応えがあった。

 

響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~の感想ネタバレを含みます。

 出だしの告白のコミカル感が良かった。麗奈が百合百合したり、姑したりして活き活きしてた。あがた祭りの久美子と秀一の初々しさがあった。あすか先輩は強キャラ感あってありがとうございます。リズと青い鳥の演奏シーンが「映画リズと青い鳥」を意識されていて感動した。
主題歌の

受け継がれていく想い

先に行く人の願い

Ah 果たされていく金色の誓い

私を強く変えてくれる

ここの歌詞すごくよくないですか。

他にも色々ユーフォらしさが前面にあって良い出来だった。
久美子先輩にも後輩にもダウナーキャラにもなれるし、百合もノンケもこなせて最強主人公だな?

そんな映画だったけども、サンフェスでの美鈴のシーンが特によかったから語りたい。

 

 低音パートの中で、一人馴染めずにいた新入生の美玲が当日のちょっとした出来事をきっかけに逃げ出してしまう。それを同じ新入生の奏と指導係の久美子が追いかけて説得するシーンだ(ここで流れるのがボレロである。流れてくるだけで冒険が進化しちゃってテンション上がってしまうからズルい曲だ)。

www.youtube.com

最終的に久美子が説得して美玲が作っていた心の壁を取り除く。そのやり方は奏は少し気に入らないようなそぶりを見せる。小説を読んできたときは、この話のメインはあくまで美玲だと感じた。久美子も後輩に寄り添って解決できるなんて強くなったなあと思った。

しかし、映画では奏のわだかまり、久美子と奏の見ているものの違いをもっと強く描いていて、見かけ上は美玲がメインのシーンだけど、奏と久美子も同じくらいメインだった。奏の「久美子先輩はそういうやり方をするんですね」というセリフの重みを増したシーンになっていた(しかもBGMにはボレロが流れている)。フェスの裏側で展開される雰囲気と美玲と奏、久美子の3人の気持ちが錯綜具合。読んで思い描いた印象との違いに思わずにやけてしまった。もう、原作既読の状態で映像化を観た時に得られる体験としては、かなり上位の体験なんじゃないかと思った。この感覚を味合わせてくれただけでこの映画を観に来てよかったと思えた。

さて、原作新刊も読むぞ。最低でも3週目特典をもらいに行かなきゃな。

www.youtube.com