つい先日「グノーシア」というゲームをクリアした。
クリアまでかかったプレイ時間はおよそ20時間程度だ。
真EDを真EDとして認めたくない教になってしまったが、ここ数日、頭の中がグノーシアに支配されるくらい面白いゲームだった。
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(動画11秒で黒髪のねーちゃんがあたかもグノーシアのように主人公を襲っている絵があるが、
このイベントで主人公は死なない。)
この動画を見ると分かる通り、グノーシアは「人狼ゲーム」をしながらループを繰りかえすSFアドベンチャーである。ゲームは「人狼ゲーム」のパートの合間にアドベンチャーパートが挿入する形で物語が進行していく。キャラクターの個性が強く「人狼ゲーム」単体で見ても、SFアドベンチャーのストーリー単体で見ても、非常に面白いゲームに仕上がっている。
さらに「ループもの」の物語と「人狼ゲーム」が合わさることによって、より実際の人狼ゲームを疑似体験できるのがこのゲームの面白いところだ。
「特記事項の解放」と「メタ推理」
グノーシアでは、ループする時間を抜け出すために宇宙船に乗り合わせた他の14人のキャラクターとイベントを発生させて、特記事項を解放していくことがゲームの目的となる。 特記事項の解放をしていくことでストーリーが進み、どうしたらループから抜け出せるのか、なぜプレイヤーはループに囚われているのかなどの謎が明らかになってくる。また、キャラクターとのイベントを発生させることで、そのキャラクターの背負っている背景、性格、好みを知ることができ、世界観の広がりを感じることができる。
加えて、キャラクターを知ることで「メタ推理」ができるようになるため、人狼ゲームを有利に進めることができる。
役職につくと嬉々としてCO(カミングアウト)する人、逆に潜伏したがる人。人狼の時に役職騙りしたがる人、したがらない人。同じメンツで何度も人狼をやっていると他の人の癖がだんだんと分かってくるようになる。
そのため、この人のこのタイミングのCOはいつもと違う。占いCOでやけに冷静にしているときは人狼サイドのことが多いなど、いつもの様子との違いが感じ取れるようになる。
この違いを意識的に探ること、つまり、これまでの癖から他の人が嘘をついているかどうかを推測していくことが「メタ推理」である。
グノーシアの中でも、キャラクターが嘘をつくときある程度パターンがあるキャラ、それとは全く関係なく嫌いな相手を執拗に疑うキャラクターなど、それぞれ個性がある。
ループしているプレイヤーはアドベンチャーパートを通して特記事項の解放をしていくことで、それらのキャラクターの個性を知ることができるため「メタ推理」を行いながら、有利にゲームを進めることができるという面白さがある。
キャラクターが成長することで議論のレベルが上がる
14人のキャラクターの特記事項を解放させることで物語が進行していくことは、既に上で書いたとおりだ。このとき、そのキャラクターは「カリスマ」「直感」「ロジック」「かわいげ」「演技力」「ステルス」などの能力値が上昇していく。キャラクターも文字通り成長しているのだ。
(ここではそれぞれの能力値の説明は割愛するが、この能力値の設定も実際の人狼を上手く模していて面白い)
そのため、キャラクターとイベントを発生させ物語が進むと、ほとんどのキャラクター達が高い能力値を持つことになる。すると、ゲームの難易度が上がっていくのではないかと感じるだろう。しかし、一概にはそうは言えないのがグノーシアの、人狼の面白さである。
ゲームの序盤では、キャラクターの能力値は低い状態なので、他のキャラクターを疑う根拠を持たない。そのため好感度に左右されて話し合いが進んでいく。言ってしまえばあてずっぽうなので、まともな議論が成り立っているとは言い難い。
ところが、ステータスが上昇することで直感にしても、ロジックにしても、キャラクター達は各々の能力を活かして話し合い進めるので、あてずっぽうで疑う行為が減ってくる。するとプレイヤーはそれぞれのキャラクターの個性を把握しているため、何を根拠に他のキャラクターを疑っているかを予測することができる。
これは、実際の人狼ゲームでプレイヤーたちがゲームシステムに慣れていくことで議論のレベルが上がる様子に似ている。
このように、グノーシアでは「ループもの」という物語構成を活かして、「メタ推理」や「議論の仕方の変化」などの人狼ゲームの面白さを引き出すことに成功している。
また、実際の人狼は8人くらいの人が集まらないとできない、人を疑う疲労などがあり、始めるハードルがやや高いゲームだ。このグノーシアではそれらのハードルを気にすることなく始められるうえに、物語とそれを支える世界観も面白い。
気になったらぜひプレイしてほしいゲームだ。
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今日の一枚
写真の整理をしてたら出てきた。大学入学時にお部屋探しに来た時の写真。
そんな時期もあったのよね。