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ゼノブレイド2 -失われる記憶を寄る辺に人との繋がりを示す物語-

※この記事はネタバレを含みます
 ゼノブレイド2のストーリーは、主人公のレックスが「天の聖杯」と呼ばれる伝説のブレイドの女の子・ホムラと出会うところから始まる。レックスは「楽園」に行きたいというホムラの願いを叶えるために、様々な人との出会いや別れ、そして数々の困難を経験し、乗り越えていく。王道の「ボーイ・ミーツ・ガール」だ。

そして、ゼノブレイド2の物語に特徴をつけて、世界に深みを与えているのが「ブレイド」である。

ブレイドの記憶

 ブレイドとは、「コアクリスタル」と呼ばれる不思議な結晶から生まれる亜種生命体であり、容姿や性別は様々存在する。コアクリスタルからブレイドを生み出すことができる人のことを「ドライバー」と呼び、ブレイドの力をかりて戦闘を行うことができる。
ドライバーとブレイドは互いに強い絆で結ばれ、運命を共にしていく関係にある。というのも、ブレイドは生み出したドライバーが死んでしまうと再びコアクリスタルに戻ってしまうからだ。
そして、戻ったコアクリスタルから再びブレイドとして生まれるときは、同じ容姿・性格だが以前の記憶は失われてしまう。ブレイドはドライバーがなくなるたびに、記憶を失い再び生まれる存在なのである。そのためブレイドの時間には、「ドライバーともに共有する時間」と「記憶を失いながら繰り返される人間の寿命よりも長い長い歴史ともいうべき時間」の2つの時間が流れている。

受け継がれる意志

ヴァンダムは、ドライバーになったばかりのレックスに戦い方を教えてくれる師匠のような人物である。しかし、ヴァンダムは戦いの最中、命を散らしてしまいレックスはヴァンダムのブレイド、スザクのコアクリスタルを受け継ぐ。そして、スザクは再びブレイドとして生まれたとき、ヴァンダムとの記憶を失っているがレックスたちの様子から自身の以前のドライバー、ヴァンダムとレックスが信頼関係で結ばれていたことを悟りレックスたちに力を貸す。

失いたくない記憶

また、カグヅチは帝国が所有するブレイド。昔から国に管理されていたため、公的な記録に度々現れ、過去のカグヅチが残した日記も残っている。そのため、カグヅチは過去の自分を知ることができる。一方で、以前のカグヅチを知る人物に、前の自分がどんな感じだったのかを聞く。記録だけでは決して無くなった記憶の代わりにはならないことが感じられる。

出逢いから始まる繋がり

「記憶を失いながら繰り返される人間の寿命よりも長い長い歴史ともいうべき時間」の流れがあることによって、パートナーとして互いに共有した時間、「記憶」がより強く印象的なものとなる。
記憶とは、他者との繋がりである。ブレイドの記憶を頼りすることで出逢いから始まり、少年と少女の繋がりを描く「ボーイ・ミーツ・ガール」という物語をより味わい深くしているのである。

今日の1枚

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