メガネ属性≠負け属性

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Outer wilds感想(旅を振り返って思い出すことなど)

※この記事は重大なネタバレを含みます
昨日、日付的には今日の午前2時、Outer WildsをDLC含めてクリアした。
そのまま直ぐに布団に入ったが、Timber HearthやTravelersが頭の中でずっと鳴り響き、あの星系を航行した旅のことを思い返しては頭から離れない。

本編の旅の振り返り

初めての宇宙と初めてのループ

ゲームを始め言われるがまま発射コードを手に入れて、ゲームの目的は全くわからないが宇宙の旅が始まった。

まず手始めに木の炉辺(スタート地点)から最も近いアルトロックを目指した。宇宙空間の独特な操作感、ひとつひとつの動作を注意しながらなんとか探査艇を着陸させ、地表に降り立つ。木の炉辺よりも重力の小さいこの星は、少しジャンプをしただけでも、ふわふわと浮いてしまい、気づけば予想以上のスピードが出てしまう。まだ、操作に慣れず、出過ぎたスピードそのままに突き立っている岩の柱に衝突してしまい、死んでしまった。
それが、私の初めてのループだ。
そこからすぐにまた、アルトロックに降り立つ。今度は慎重に、出来るだけ地表から浮かないように気をつけながら探索を始めた。生まれたての赤ん坊のような足取りだが、小さい重力のその星はそんな初心者冒険者でも踏破できるほど小さかった。

初めて蒔かれる好奇心の種

その後、アルトロックから木の炉辺を見上げ、スタート地点となる村以外にも探索する場所がありそうなことに気づき、私は木の炉辺に戻った。アルトロックのイメージで探査艇を着陸させようとするも次はこちらの重力の違いに対応できず、勢いよく不時着してしまった。幸い大破には至らなかったが、思わず首がすくんだ。探査艇を修理し、さあ、探索を始めるぞと目の前の崖を降りようとしたが、ブーストの加減がわからず、地表に勢いよく衝突して死んでしまった。

気を取り直してループ再開して、今度こそと、木の炉辺の探索を始める。目を離すと違う場所にワープする変な岩(量子のかけら)を見つけ、変な洞窟(Nomaiの鉱山)の入り口を見つけ、そして不思議なイバラ(闇のイバラの種)に出会った。近くにいるHearthianの話を聞いて、偵察機を種の中に跳ばしてみる。

すると、画面に現れたのは“エラー:重複信号”という文字列。

偵察機の座標がふたつある。ここともう片方は?地図を開いて探すとどうやら闇のイバラという場所につながっている?らしい。地図を閉じ、もうひとつの偵察機の座標が示す場所に行ってみようと探査艇に乗り込む。すると、目の前が光に包まれた(そうループを初めて22分が経ったのだ)。時間が巻き戻され、スタート地点に戻されてしまった。

何が起こったのか?

立て続けに起こる謎の現象に困惑した。
しかし、たぶんこの時だろう、初めて私の中に好奇心の種がまかれたのは。

気づけば大きく育った好奇心

まだ小さいながらも好奇心に従って、ゲームを進めてみた。しかし、プレイして数時間しても、このゲームの目的、どうすればクリアできるのかわからない。しかも、木の炉辺やアルトロックとは比べ物にならないほど他の星々の環境は過酷だ。小さな好奇心の種がまかれて芽吹き、枯れていくのを何度も感じながら、航行記録を埋めていった。すると、少しずつだが頭の中で情報と情報が手をつなぎ始めた。

もしかしたら、あの場所への道がわかったかもしれない。

確信にも満たない可能性だが試したくなる。逸る気持ちに押され、やってみる。思った通り新しい道が拓かれる。先へ進み未知の領域へと足を踏み入れた時、息をのむような緊張と感動が押し寄せてくる。気づけば航行記録を埋める作業感よりも、好奇心が勝っていた。
巨人の大海では探索している間に探査艇が竜巻に飛ばされ粉々に大破しては途方に暮れ、脆い空洞では何度もブラックホールにのまれ宇宙空間で酸素不足を待つ物体と化した(まだホワイトホールステーションを知らなかった頃)。侵入者では氷滑って遊んでいると、いつの間にか探査艇が宇宙空間に放り飛ばされ、これまた途方に暮れた。気持ちが急いて、宇宙服を着ないまま外に飛び出してしまったことだってあった。

いくつもの死を繰り返しながら、私は遂にゲームをクリアした。大きく広げられた風呂敷が丁寧に丁寧に畳まれていった感動と、好奇心の従者から解放された感動が、そこにあった。

Echo of the eye(DLCの旅の振り返り)

そして昨日、2,3日の時間を置いて早速DLCに挑んだ。探索は楽しい。しかし、怖い。単純に追われることよりも、むき出しの悪意、歓迎されてなさ怖かった。異物が入ってこないように、徹底的に排除しようとする周到さが怖かった。一気にクリアしてやると意気込んで始めた勢いは、恐怖に見事に負け、何度も休憩を挟みながら進めた。そうして何とか、あの鎖の封印を解くことができ、彼と出会った。彼らの種族に起こったこと全てを知り、感じていた恐怖は少し薄くなっていた。
そして、彼からNomaiへ、NomaiからHearthianへ渡されたバトンを受け取り、私は無事ゲームを終わることができた。

総括

ちょっとしたミスが死につながる難しさもあるが、情報が出揃っても具体的にどうすればいいのかちょっとした所で詰まる難しさもあった。正直、何度か攻略のヒントにお世話になった。しかし、プレイヤーの好奇心にのみ拠った潔さが新鮮で、なんとも言い表せないゲーム体験を作り出していた。ゆえにこのゲーム体験を通じて感じたことの記録として、この記事に収めておくのである。

今日の一枚

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