メガネ属性≠負け属性

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第1回新潟国際アニメーション映画祭 レポート

昨年5月ごろ、地元でアニメーションの映画祭を開催するというニュースが目に飛び込んできました。www.oricon.co.jp
地元で開催されることに驚きましたが、更に審査員長に押井守監督の名前があることに驚きました。アニメファンの人口に比して、アニメイベントが少なく飢えているという気分がある新潟で、映画祭が開催されるということで、どのような規模感や雰囲気になるのか非常に気になり、初報の時点でかなりワクワクして、開催を楽しみにしていました。

作品鑑賞についての感想

niigata-iaff.net

17(金)から22(水)の6日間の開催日のうち18(土)から21(火)の4日間でいくつか回ったプログラムは以下の通り。参加してきた雑感を書き留めておこうと思います。

いやあ、楽しかった!
普段聞けないようなトーク付きイベントを中心に、ケルト三部作のうち2作と気になった作品をピックアップして参加しました。日本のテレビアニメとは全く毛色の違う海外作品をたくさん観て、アニメ関係者の方々からの濃いトークも聴けて、充実した4日間を過ごせました。

中でも一番興奮したのは、活弁付アニメーションの実演。これを観た数日後に、活弁映画をアニメーションで再現した『山中貞雄にささげる漫画映画『鼠小僧次郎吉』』を観ることができたことですね。
山中貞雄にささげる漫画映画『鼠小僧次郎吉』』の方は、ツイッターで盛り上がっているのを見かけて面白そうだなと思い、すぐチケットを取りました。一方、『活弁付アニメーションの実演』は、片淵監督のトークを予約するついでにたまたま見つけたイベントでした。
活弁付アニメーションの実演は、活弁士の坂本頼光という方により実演され、息をつく暇もないほど畳みかけるような語りの中にちょっとしたツッコミが入ったりして、寄席を彷彿とさせる語りが印象的でした。対して、山中貞雄に捧げる~では声優の小山茉美さんが活弁士の役を演じていました。弁士という役者の存在を軸に立てながらも、ナレーションから鈴さんや次郎吉といった声色を使い分ける芸当を見事にこなしていて、同じ活弁でもアニメーションの中で表現されるとまた違った味わいが出てくるのが面白かったです。

この映画祭ではたくさんの作品を観ましたが、海外のアーティスティックな作品が上映されている傍らで、先ほどの活弁を軸にした作品や、こま撮り(ストップモーション)の作品が上映されていて、ひとくちにアニメーションといっても、なんともまあ表現が多様であることか...!アニメーションが抱える可能性の広さを再認識できました。イベント・トークに中心に回ったため、コンペ部門の作品は『めくらやなぎと眠る女』しか観ることができませんでしたが、次回はより多くのコンペ作品を鑑賞したいと思いましたね。

映画祭全体の雑感

と、ここまでは映画祭の作品鑑賞についての感想でしたが、地元でアニメーション映画祭が開催されて感じたことをつらつら書いていこうと思います。
映画祭の主要な上映会場は、

  • 新潟市民プラザ
  • クロスパル新潟
  • 新潟シネウィンド
  • Tジョイ新潟万代

他、イベント会場として、

という感じでしたが、プログラム見た時点で「これ移動大変だろ…」と感じました。私は自転車を持っていたので、移動距離はちょうど良かったのですが、県外から来る人はどうするんだろう...と
シネウィンドやTジョイの設備は映画祭に必要不可欠だろう、というのは想像に難くないですが、万代橋を何度も往復するのは、さすがにキツいですよね。万代と古町のインフラがもっと発達していれば、もう少し楽なんですがね...

会場の設備について言えば、新潟市民プラザの音響設備はしっかりしていて、長編作品も見応えがありました。ただ、椅子が少し硬く隣の席との余裕もないので長時間座っているのはちょっと辛かったです。
一方でクロスパル新潟の方は、椅子はしっかりしていましたが、遮光がイマイチだったのが気になりました。クロスパル新潟に参加したのはトークイベントとこまねこだったのでまだ良いのですが...

他にも映画祭開催中の町の様子としては、会場が離れているためあまり町全体としての盛り上がりがあるわけではありませんでした。しかし、会場近くになると、そこかしこでアニメ業界の話をされている方が散見されたり、入りの大きいトークイベント後は会場外でさっきまで登壇していた人が立ち話していたりしていて、その光景には、内心”おおっ...”と感動していました。


正直、プログラムがわかりにくかったり、会場の設備にちょっとした不満があったり、改善して欲しい点はいくつかあります。
しかし、私自身が映画祭に参加したことがなく、地元での開催というひいき目もあるかもしれませんが、この映画祭は想像以上に充実した良いイベントでした。地元の宣伝は少し物足りないと感じたものの、柾谷小路のアーケード広告の数々は、新潟市がこの映画祭に本腰を入れて協力している様子は伝わりましたし。
この映画祭は第一回にしては存外に上手く行っているとの評価も少なからず聞こえてくるので、この映画祭が新潟の大きなイベントとして継続して発展していくことを心から願っています。

追記

開催中はアニメ業界の方々のツイッターを拝見していましたが、特に新潟で食べたものの写真をアップされていました。海鮮系からラーメン、イタリアンなどのB級グルメに至るまで、いろんな新潟の名物を美味しかったと呟いているのを見る度、自分毎のように嬉しかったです。
個人的には新潟の食べ物でこれ本当に美味しいからもっと知られてくれー!っていうのは枝豆なんですが、残念ながらこの時期は旬ではないので賞味いただけないのはちょっぴり残念です。

トークショーの写真とか