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D4DJ First Mix -愛本りんく 巻き込み型主人公の魅力-

BanG Dream!』や『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』など音楽を通じて様々なメディアミックスIPを手がけてきたブシロードが展開するプロジェクト『D4DJ』。そのアニメ作品が『D4DJ First Mix』だ。主人公・愛本りんくが明石真秀など友人たちと「Happy Around」を結成するまでの物語が描かれる。「DJ」というあまり馴染みのないジャンルをテーマに扱っている本作。こういった新しいジャンルを扱う作品は主人公と同じ目線でジャンルの一端に触れる新鮮さがあるのが魅力の一つだ。本作は初心者であるはずの主人公・愛本りんくが手綱をもって物語を力強く駆動させる。ここに単にジャンル紹介アニメに留まらない勢いがある

巻き込み型主人公・愛本りんく

本作の主人公・愛本りんくは典型的な巻き込み型主人公だ。

アフリカから帰国し陽葉学園に転校してきたりんくは、お昼休みにかかった曲を聴き気持ちの高揚に任せて、放送室に飛び込でいく。そこでDJ活動をしている明石真秀と知り合う。真秀と話すうちにりんくはDJ活動に興味を持つ。そして「Peaky P-key」のライブに行き、自分も真秀と一緒にDJ活動をすることを決める。始めのうちは真秀に勧誘を断られてしまうが、何度も誘ううちに真秀はりんくの熱意に押されユニットを結成する。
そして、大鳴門むにもフライヤーのデザインを手伝ってもらったことをきっかけに、VJ担当に仕立て上げDJ活動に巻き込む。渡月麗も初めはピアノを教えてもらうだけだったものが、作曲のお願いになり、気づけばステージも引っ張り上げる。
こうして4人で「Happy Around」を結成する。

りんくが人を巻き込める魅力とは?

明石真秀、大鳴門むに、渡月麗と、とんとん拍子に巻き込んで「Happy Around」を結成できたのは、決めたことをすぐに実行するフットワークの軽さややりたいと決めたことを曲げない強引な性格も一端にはあるが、それだけではユニットとして、チームとして成り立たない。りんくにはそれらに加えて人を惹きつける魅力がある。それは全身でやや大袈裟ぎみに表現されるボディランゲージだ。

1話の中でも、曲を聴いた衝動で放送室に飛び込んだり、曲の繋がった喜びに任せて踊り始めたり。他にも転校初日にクラスメイトからの質問攻めにも身振り手振りを使って嬉しそうに表現する。このりんくのボディランゲージによる情動の表現に周囲の人間は耳目を惹きつけられ、りんくの情動にあてられる。りんくはライブのパフォーマンスでフロアを盛り上げるように、普段から周りに自身の情動を伝播させている。これこそ、巻き込み型主人公としてのりんくの魅力である。

また、りんくの情動にあてられるのは「Happy Around」のメンバーやライブの参加者だけに留まらない。りんくのボディランゲージは物語上で感情線を際立たせている。これは、りんくのみならず、「Happy Around」のメンバーや「Peaky P-key」、「Photon Maiden」など他のユニットのメンバーを含めた感情線だ。これにより、本作はりんくを始めとした情動で駆動する物語として印象づけ、視聴者にもりんくたちの情動を伝播させようとしているのだ。

今日の一枚

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